茄子男の日常1
2023.10
私の名前は茄子男である。縁あって仕事は某院長のもとで働いている。ナースをまとめ、病院業務に活を入れること。いわば某院長の背骨と病院の心臓だ。ネーミングについては深くは触れないで頂きたい。某院長は常に多忙。バイクで例えるならエンジン回転数は常に10000回転オーバーだ。それでエネルギー効率が良いかといえばクラッチに若干のスリップがある。私の役目はそのやれたエンジンとミッションをクールダウンさせ、丁寧に分解、修理して新しいオイルを注ぐことだ。女性諸君には向かない。言葉は不要。でも汗と涙を理解するには説明が必要だ。
仕事が終われば手慣れた大型バイクが夕日に向けて疾走する。サングラス越しに緑色の輝きがまぶしい。この緑の輝きが生命の源だ。そういえば某病院の緑はおかしい。芝生に覇気がない。つまり枯れかけている。今回のミッションは枯れかけた芝生の再生だ。
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当初
令和4年3月 改良前の芝生の写真 左は道路正面の斜面、右は某院長宅庭

某院長宅庭(写真右):西洋芝と思って大切に育てていた草がスズメノカタビラという品種の雑草であることが判明する。毎日水やりをして可愛がっていたものが雑草だなんて。よく見ると点で生えており、まばらである。ふふ。
調べたところ世界最強クラスの雑草であることが分かった。業者に相談したところ、土をすべて入れ替えない限り芝生を植えても負けてしまうとのこと。試しに費用を確認したところ120万円!破格の金額提示だ。
道路正面の斜面(写真左):高麗芝と雑草が入り混じっている状況。一部土が露出しており、さらに病院の看板裏に関しては、三つ葉や雑草が散乱している。土は下方へ流出し、コンクリートブロックの上に完全に乗っかっている。こちらも業者に確認したところ土壌改良が必要で費用は150万程度。さらに芝生に適した排水路の工事をすると+αかかるとのことだった。日照時間が少なく芝生が定着しない可能性があり人工芝を提案される。某院長によると数年前より出入りの植木屋さんが何度も高麗芝を張り替えているらしい。数か月もすると全滅し、そのたび泣く泣く張り替えているとのこと。
何社かの業者に見積もりを依頼したが、高額もしくは綺麗に芝生を保つ保証はできないとの回答を受ける。某院長より「失敗しても良いからやってみてほしい」と依頼を受け、半ば失敗を覚悟しつつ、依頼を受けることを決意する。某院長らしい。
色々調べたところ、某院長宅については雑草が問題との結論に至る。後々わかったことだが、土壌改良を進めていくと多数の砂利・石が見つかる。これも発育疎外の原因だったかもしれない。
道路正面の斜面に関しては、日照時間が短いこと、土壌が泥のように湿っており水のやりすぎが原因と考えられた。
<施工方法>
施工方法は某院長宅、道路正面とも同じであるが、まずは周辺にある木々を枯らさないように丁寧に除草剤を撒くことから始めた。
使用した除草剤。邪魔者は消せ。
除草剤は葉から吸収して地下茎まで枯れさせるという優れものである。
2週間ほどすると表面にある雑草は完全に除去することができた。
除草が終わったら水はけを考慮して芝生用の土と元々ある土を混ぜた。分量については明確なものはなく某院長宅は30㎝ほど掘り起こして混ぜ合わせた。道路正面の斜面については地盤が緩いと崩れる可能性があると考え、表面に乗せるようにして軽く混ぜ合わせることとした。土壌改良後、芝生を張る。
芝生の品種は「ウィンターフィールド」
ウィンターフィールは高麗芝と西洋芝をミックスした品種で、日照時間が6時間あれば生育が可能であることと通常の高麗芝と比較して枯れるのが1か月遅く、緑に戻るのが1か月早いという特徴があった。デメリットとしてはややコストが高いことだ。
この時点で、既に多額の費用を投じており後戻りできなくなることに気づく。
(業者に頼むよりは費用は随分抑えられていることは断っておきたい。)
改良した土に芝生を並べる姿
(左上の写真 向かって右が茄子男。トム・クルーズによく間違えられる。)

芝生を並べた後は目土をかける。

その後は、1か月程度は毎日朝晩と水をたっぷりとあげた。
芝生の生着には成功したものの、スズメノカタビラが芝生の隙間から散乱してくる事態が発生(写真にはない)。毎日手で抜いても翌日には何十本も生えてくる。

スズメノカタビラ

種を持つ状態
スズメノカタビラは成長すると多数の種を持つ。前述した通り、これまで某院長がたくさん可愛がっていたので無数の種を撒き散らした状態。当然の報い。
完全に除去することは困難であるらしい。この雑草がひどい場合、ゴルフ場を移設することもあるくらいのようだ!
毎日手で抜くことに限界を感じたため、販売元に相談をしたところ、下記2種類の除草剤を推奨される。ゴルフ場でもよく使用されている薬剤とのことで期待が高まる。

シバゲン・・・除草・発育疎外 年2回散布
グラトップ・・・冬場に散布、発育期に向けて地下茎での発育を阻害 年1回散布
肥料・・・3月、5月に散布
種類の違う除草剤を巻くことで、表面と土壌2方面からアプローチをかける。
説明書の通り散布したところ、1か月ほどして雑草を激減することに成功した。
肝心の水やりに関しては、冬場は自然に、春・秋は3日に1回程度、夏場は朝・夕にたっぷりと撒くようにした。
冬を無事に越せるか心配していたが、今年の春頃より徐々に芝生に青さがみられる。
1年目の冬を越して
令和5年8月撮影(左に落ちているのは栗)

雑草も9割減少、発育も良好である。雑然としているのは某院長の脳内と同じ。
令和5年9月下旬(写真右のプリペットを整える。)

おや、マンホールが消失しているような。(長くなるのでここでは触れないことする。)
写真では分かりにくいが芝生の密度が増している印象を受ける。
正面の芝生
茄子男がこだわった点としてはコンクリートブロックと芝生の間に土止めを入れたことだ。土砂崩れ防止の意味もあるが境界を明瞭にすることで、締まった印象となると自負している。
![]() (施工前) |
![]() (施工後) |


道路正面の斜面の芝生は日照時間不足、今年の猛暑により水が不足してしまったか。院長宅と比較してやや密度の悪い部分がある。目土を追加、水やりを強化したところ、多少の改善を認める。雑草についてはほとんど見られれない。
<現時点での評価>
〇ワンシーズン維持ができた。
〇除草剤の有効性は高い。
〇斜面については発育不良個所がある。慎重に対応する必要がある。
〇天候により水やりの微調整が必要である。
<今後の課題>
△斜面の芝生をもう少し元気にしたい。
△長期的にはエアレーションなどその他の課題も出てくると思うので引き続き経過を追ってく。
夏は青々とした芝生を横目に冷えたビールを片手に花火大会を楽しむ某院長の顔が浮かぶ。正面の歩道を歩くと芝生の香りが心地よい。そういえば某院長の芝生横の石畳がくすんでいる。どんよりとして、某院長の怪しい心中には似合わない。いや少し神経質になりすぎているかもしれない。また皆様とお会いできるまで。
つづく

